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26 December 2017 / FashionArt

グラン・パレのアーヴィング・ペン写真展

写真家、アーヴィング・ペンといえば、アメリカン・ヴォーグにおける長年の活躍や、三宅一生とのコラボレーションをはじめとするファッション・フォトで有名です。洗練され、ときにドキッとするほど大胆でもあるその作品は、彼のアーティスティックなセンスと才能をあますところなく伝えます。


©-Rmn-Grand-Palais-_-Photo-Didier-Plowy.jpg


もっとも、ファッションの分野は彼の豊かなキャリアの一部でしかなく、他にもポートレートやヌード・シリーズなど、さまざまなジャンルに挑戦をし続けました。
そんなペンのキャリアを網羅した展覧会が、パリのグラン・パレで開催されています。


ここでは彼の作品を11のテーマ別に紹介しています。最初の部屋では、1938年に彼が初めてローライフレックスを手にし、ストリートの写真をドキュメンタリー・スタイルで撮り始めた初期の作品が展示されています。


第二次世界大戦から帰還した彼は、ヴォーグ誌の依頼によって著名人のポートレートを撮るようになります。サルバドール・ダリ、エルザ・スキャパレリ、アルフレッド・ヒッチコック、トルーマン・カポーティ、マレーネ・ディートリッヒら。被写体の特質を巧みにキャッチするとともに、彼ならではの空間の使い方が印象的です。

Marlene-Dietrich©The-Irving-Penn-Foundation.jpg


1947年から約5年間にわたってヴォーグでファッション写真を担当した時期は、彼のエレガントな才能が開花し、一躍名声を得ました。

Girl-With-Tobacco-On-Tongue©Condé-Nast02.jpg

Glove-&-Shoe©Condé-Nast.jpg

Spanish-Hat-By-Tatiana-du-Plessix©The-Irving-Penn-Foundation.jpg

Rochas-Mermaid-Dress©-Condé-Nast02.jpg


「仕事シリーズ」として、さまざまな職業の人々の姿をレンズに納めたもの、またペルーに滞在し、民族衣装に身を纏った現地の人々を撮りためた有名な作品群もあります。


後半はヌード写真や、しわくちゃになったタバコをオブジェのように見立てたもの、枯れ行く花を収めたシリーズなど。こうした写真は、ペンが被写体の質感やフォルムにこだわり、ある種建築的な視点をもそなえた写真家だったことを感じさせます。

Two-Miyake-Warriors©The-Irving-Penn-Foundation.jpg


最後は60年代から近年までの、印象深いファッション・フォトを集めた部屋です。「タイム・カプセル」というテーマのもとに選ばれた写真群は、華やかでありながらどこかノスタルジーと儚さを感じさせ、ファッションのためのファッション・フォトとは異なる、詩情にあふれています。

Ungaro-Bride-Body-Sculpture©Condé-Nast.jpg

Mouth-(for-L'Oréal)©The-Irving-Penn-Foundation.jpg


ペンのファンにとっても、あるいは彼の一部の写真だけを知る方にとっても、刺激に富んだ見逃せない写真展は、1月29日まで開催しています。

Picture-of-Self©Condé-Nast02.jpg


IRVING PENN
GRAND PALAIS Official site



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Written by Kuriko Sato

パリ在住の文化ジャーナリスト。ファッション、アート、映画、音楽などに精通し、雑誌、webで著名人のインタビューを手掛ける。映画サイトのeiga.comでパリ・コラムも連載中。著書に、パリのガイド本『映画で歩くパリ』(スペースシャワーネットワーク)。
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