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21 November 2017 / Fashion

イヴ・サン=ローランの美術館がパリにオープン

「モードの帝王」と呼ばれ、20世紀のファッション界を代表するデザイナーのひとりであるイヴ・サン=ローランの美術館が、10月3日、パリにオープンしました。

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ガリエラ美術館やパレ・ド・トーキョーに近いアヴニュー・マルソーにあるこの美術館は、1974年からサン=ローランがアトリエを構え、2004年からはピエール・ベルジェ、イヴ・サン=ローラン財団として一般に公開されていました。

サン=ローラン亡き後、生涯の伴侶だったベルジェのたっての希望で、美術館に生まれ変わることになったのです。残念ながらベルジェはオープン直前に他界してしまいましたが、その全貌はサン=ローランの創作の世界を余すところなく伝えています。

〈Christian Dior〉の後継者に抜擢されたサン=ローランが独立し、ベルジェと共に自らのメゾンを設立して初めてコレクションを発表したのが1962年。ここでは、そんな初期からのコレクションがテーマ別に展示されています。

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スモーキング、トレンチ、サファリなどの代表的なルック、精緻な職人芸でサン=ローランのオートクチュール・デザインを具現化したコレクション、あるいはモロッコやロシア、東洋にインスパイアされたカラフルでエキゾチックなスタイルや、マチス、ゴッホ、モンドリアンといった画家たちの作品に触発されたコレクションなどが並びます。

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さらに、今回美術館として生まれ変わってから初めて一般に公開されたのが、実際にサン=ローランが使っていたデザイン・スタジオです。

当時とほぼそのままに再現された部屋は、壁一面に本棚や資料、備品が並び、大きなデスクの上には、彼のデッサンやサンプルの小物が並べられています。

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本棚にはプルーストなどの彼の愛読書と共に、日本の書籍も。思ったよりもこじんまりとした空間であることに驚かされますが、そのなかでサン=ローランの途方もないイマジネーションのもとに濃密なクリエーションの時間が流れていたことを想像すると、なおさら感慨深いものがあります。

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シンプルなドレスとゴージャスなアクセサリーの組み合わせを好んだサン=ローランにとっては、アクセサリーも大切な要素でした。彼の愛したハートのコレクションも含め、華やかなアクセサリーの数々も陳列されています。

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またサン=ローランとピエール・ベルジェの二人三脚の歴史を綴ったフィルムの上映がある他、かつて顧客を招いてショーを行っていたサロンでは、コレクションのビデオも鑑賞できます。


ちなみに、ほぼ同時期にサン=ローランの別荘があったモロッコのマラケシュにも美術館がオープンしました。もっとも「さすがにマラケシュまでは行けない」という方は、パリの美術館だけでも十分に彼のクリエーションの世界に浸ることができるでしょう。


Musée Yves Saint Laurent Paris
5 avenue Marceau, 75116 Paris
Musée Yves Saint Laurent Paris Official site


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Written by Kuriko Sato

パリ在住の文化ジャーナリスト。ファッション、アート、映画、音楽などに精通し、雑誌、webで著名人のインタビューを手掛ける。映画サイトのeiga.comでパリ・コラムも連載中。著書に、パリのガイド本『映画で歩くパリ』(スペースシャワーネットワーク)。
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