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05 April 2017 / Fashion

クリストバル・バレンシアガの展覧会

「クチュール界の建築家」と言われたデザイナー、クリストバル・バレンシアガの展覧会が、ガリエラ美術館のディレクションにより、パリ15区のブールデル美術館で開催されています。


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ここは彫刻家、アントワーヌ・ブールデルの元アトリエ兼住居を改装した美術館。なぜガリエラではなくブールデルなのかと言えば、本展がとりわけ造形的な美を誇るバレンシアガの服をブールデルの彫刻と共鳴させ、フォルムをテーマにバレンシアガの功績を再評価することがテーマだからです。


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たしかに彫刻とクチュールは、素材の選択からフォルムを形成し立体的な起伏を作っていくことや、プロポーションにおける調和の大切さという点で共通点があります。バレンシアガの展覧会はこれまでにもパリで開催されたことがありますが、本展はこうした趣旨からもとても興味深いものです。


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徹底的にシルエットにこだわったバレンシアガは、伝統的な女性美のボディラインを解体し、立体感に富んだフォルムを作りあげました。また素材の特徴によってドレープを用いたり精緻なカッティングを施したりと、フォルムを念頭に置きながらも生地を自在に扱う技術にも長けていました。完璧主義の彼は、テキスタイルを特注することも珍しくなかったといいます。


服だけでなく帽子やジュエリーも手掛け、独創的なフォルムのトータル・ルックを作り出しました。


本展のもうひとつの特徴はパレンシアガの"魔術的な黒"に焦点を当てたことです。彼は黒を多用しましたが、それはさまざまなニュアンスに富んでいました。


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さらに黒には、服のフォルムを一層際立たせ、明確にさせるという要素もあります。サテンのような光沢のある素材を用いながら、陰影に満ちたドラマティックな立体感を奏でました。


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カラーをアクセントに、黒に特徴を付けたコレクションも印象的です。彼が好んで用いたのは白とピンク。とくにモノトーンの組み合わせは、宗教的な厳粛さを感じさせます。


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バレンシアガはレースにも徹底したこだわりを見せました。圧縮や皺加工など特別な技術を開発しながら、レースを用いたヴァリエーションあふれるコレクションを発表しています。それらはどこかスペインのフォークロアを彷彿させるものでありながら洗練され、官能的というよりは清楚な気品を感じさます。


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緑豊かな庭園と吹き抜けの広々としたアトリエの空間のなかで、ユニークなキュレーションによる、非凡なクチュリエ、バレンシアガのマジックを堪能することができるでしょう。


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>> Musee Bourdelle Official site
「Balenciaga, l'œuvre au noir」7月16日(日)まで。


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Written by Kuriko Sato

パリ在住の文化ジャーナリスト。ファッション、アート、映画、音楽などに精通し、雑誌、webで著名人のインタビューを手掛ける。映画サイトのeiga.comでパリ・コラムも連載中。著書に、パリのガイド本『映画で歩くパリ』(スペースシャワーネットワーク)。
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