1年中モードに関するイベントがあれこれと催されるパリですが、とにかく今年、個人的に最も期待を寄せているのが、モード界の巨匠中の巨匠、イヴ・サンローランの大回顧展 !


展示会場は、印象派の名作を所蔵する格調高いプティ・パレ。この美術館のディレクターが、普段モードとは縁のないこの小宮殿で、あえてこの展覧会を開こうと決めたのは「イヴ・サンローランという人物だから。そして彼が単なるデザイナーではなく、卓越した芸術家だから」。サンローランは、やはり、さすが偉大です。
20歳の頃のサンローランが描いた一風変わった絵本『おてんばルル』を訳して以来、すっかり彼の世界の虜になった私は、2008年にカナダで催された彼の回顧展も見てきましたが、それはそれは素晴らしく印象的なものでした。しかし、このプティ・パレでの回顧展は、"カナダでの展覧会を上回る大規模なもの"と関係者に話を聞いているので、開催の3月が待ち遠しくて仕方ありません。

ディオール社時代に発表したトラペーズライン、スキャンダルを巻き起こしたシースルー・ルック、激動の68年に生まれたサファリルック、アートにインスピレーションをモンドリアン・ドレス、映画『昼顔』の衣装を手がけて以来親しくなったカトリーヌ・ドヌーブや、N.Y社交界のファッションアイコンでオートクチュールの上顧客だったナン・ケンプナーのドレスまで300点以上を披露。
もちろん服だけではなく、彼をインスパイアした絵画・音楽・本など、サンローラン・ワールドがあますところなく紹介されます。

そのほかにもコンフェランスや映画上映が予定されており、かなり濃度の高い回顧展になるようです。

補足情報ですが、展覧会と同時にサンローランのクリエイションのすべてが網羅されたサンローランの超豪華デザイン画集が発売されます。その値段は2100ユーロと驚くほど高額ですが、1962年から2002年まで、彼がオートクチュールコレクションのために描いた1283枚の主要なデザイン画が収録されている、と聞けば少々納得。ファンにとっては家宝となりそうな代物です。
開催は3月11日(木)から。この時期にパリに見える予定の方々にはぜひご覧いただきたい展覧会です。昨年パリのクリスティーズで行われた、彼とベルジェのプライベートアートコレクションの競売(乾隆帝離宮にあったブロンズ像の中国人落札者が支払いを拒否して話題に)より、さらに大きな注目を集める大イベントになること確実でしょう。
会場/プティ・パレ(メトロChamps-Elysées Clémenceau)
会期/3月11日(木)~8月29日(日)
火~日10:00~18:00(木~20:00)
月・祝日休
入場料/11ユーロ